ありがとう存じます


休日の昼下がり、赤坂のお蕎麦屋さんで卵とじ蕎麦を食べた。

だし巻き卵も食べた。

小びんの瓶ビールをグラスに注いで飲んだりもした。


あたたかな出汁とひんやりしたビールが喉を通過する。

お腹にはあったかいような涼しいような幸せが溜まる。

目の前には幸福の価値観を共有する相手がいる。


お蕎麦屋さんを出るとき、店員さんは「ありがとう存じます」と言った。

ありがとう存じます?

聞き馴染みのないその言葉がどこかおかしくて、店を出てから、おもしろがって口に出してみる。


ありがとう存じます。


ありがとう御座いますとは少し違う。


有難いこと、あたりまえじゃないこと。

それがそこに「ある」のではなく、そこに見えていないそれを「思う」。

そんなニュアンスなのか。


有難いこと、あたりまえじゃないことだと思ってるよ、

だから嬉しいし、感謝しているよ。

そんな自発的なメッセージなのか。


深読みし過ぎな気もするけど。


有難い、あたりまえじゃない幸せがたしかにそこにあることに、

「ありがとう御座います」

そして、その幸せが、有難いことで、あたりまえじゃないことだと思う謙虚さで、

「ありがとう存じます」


そんなで積み重ねで、有難いことを、少しずつでも、当たり前につないでいきたいと存じます。



山本修太郎

山本修太郎のブログやら普段やっている活動に関して発信するためのページ。

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