若者の投票率を嘆くならまずは校則を民主化せよ


山本修太郎(@shutaro_same)です。久しぶりに少し真面目なブログ。


タイトルに書いたことは一つの比喩というか、身近な例を一つ取り上げてみただけなのだが、大人は下の世代のことをなめてんのかと思うことがたまにある。


こないだ東京都知事選挙があって、自覚はあまりないけれど東京都に住民票がある僕は、投票に行った。そして、相変わらず選挙のたびに世間では投票率の低さを嘆く声が上がり、それはやはり今回も例外ではなかった。この手の話では、特に若い世代の投票率の低さに焦点が当てられがちで、「若者の政治への無関心を嘆く大人たち」みたいな構図はもはや伝統芸能になりつつあるような感じだ。


この構図には違和感を持つのは僕だけなのだろうか。大人の背中を見て次の世代が育つという側面は小さくないはずだし、大人が主権者として作ってきた世界の中で下の世代は育っているという側面も小さくないはずだ。下の世代を嘆くのではなく、下の世代のふりを見て我がふり直せよと思ってしまうのだ。


そんなことを思いながら過ごしていると、最近ニュースで学校での校則について取り上げたものを目にした。千葉県のある学校で髪を染めた女子高生の髪を教師がスプレーで黒染めしたとか、東京都議会でツーブロック禁止という校則はいかがなものかと議論されていたり。


この様子を見て、僕は「高校生、そりゃ投票行かんやろ」と思ったのだ。身近な日常のルールに潜む違和感に対して、大人たちの説明は極めて非合理的と思われるもの、腑に落ちないものが多かった。


ツーブロックは事件に巻き込まれやすい?

謎だ。そんなデータは本当にあるのか。そして、事件に巻き込まれるのはツーブロックの人が悪いのではなく、事件を起こすやつが悪いのだ。そっちを叱れ。

白の下着は清潔感がある?

清潔感とは何。白が清潔だというのは固定観念なのでは。だったらあなたも本気で白ブリーフを履いてきてくれ。

ポニーテールは男子が欲情するのでダメ?

いや、ショートカットにグッとくる男子もおる。というか、そこで理性とバランスを取れるように教育をするというのがあなたたちの役割なのであって、その役割を放棄してルールで締め付けないでくれ。


この校則なんで?という疑問に対して、やや意味不明な説明をしてくれるのはいいが、なんで?と疑問を持った人が、その疑問を源泉にしてルールをアップデートしていくような動きを作るアシストもしてくれ。そういった社会をより良くするための行動、交渉を学ばせることは、社会に出ていくための準備として学校現場が果たす役割の一つなのではないか。


「これはルールだから守れ」というのは、大人社会において既存のルールを守れるおりこうさんが歓迎されるから、そんな人材を育てようという意図でもあるんだろうか(ありそう)


少なくとも僕はそんな社会に生きたいとは思わない。もちろんみんなで合意できるルールはいいが、その社会の中でその社会のルールを守って生きるプレイヤーが疑問を持つようなものは変えていける方がいいと思う。


校則を守って生きるプレイヤーが疑問を持っているのにも関わらず、それを変えられない、変え方を教えてくれないのに、「社会を変えられる」「自分の社会参加が暮らしを良くすることに繋がる」と思えるはずがないだろう。選挙なんて行くわけないやん。なめるな。


そんなことを思う。なんか共感してくれる人がいれば、身近なルールの変え方を考える運動みたいなものを作ってみたい。高校生と一緒に校則をまず一つ変えてみるプロジェクトとかやってみたい。


民主主義を機能させたいのなら、身近な草の根民主主義を耕す必要があると思う。

山本修太郎

山本修太郎のブログやら普段やっている活動に関して発信するためのページ。

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