休みの日になると足を運ぶ喫茶店。本を読んでいると、マスターの声が聞こえてくる。
本に目をやりながら、聞き耳を立てみると、「こんな日の差し込み方したの初めてだな」と。
さらにマスターは窓から差し込む光を見ながら続ける。「あのマンションに反射してるんだな」と。
なるほど、駅前に新しくできた高層マンションが太陽の光を反射させて、この喫茶店に新しい光の入り方をさせているんだな。
何十年と変わらず同じ場所で日常を過ごしてると、こんな形で移り行くまちの姿を捉えることができるんだな。
日の光の差し込み方がいつもと違う。かなり小さな現象のように思えるけど、気づくと気づかないとでは大きな差があるように思える。
光の反射に気づくこと、そこからまちの変化に思いをはせることへ思考は連鎖する。
光の反射に気づかなかったら始まらなかった連鎖が始まる。
日常にある小さな変化に気づけるように、動かない日常、ささやかなことの繰り返しをする。
日常の小さな変化から着想する。その着想から思考を連鎖させる。行動を伴走させる。
その延長線上にちょっといい未来があるのではないかと思えてならない。
小さな変化を見逃し、見過ごし、気が付けばどうしようもできないことになっていたというのは嫌だ。危機感を覚えて振り返ってみたら、あのとき小さな変化、小さなサインが出ていたじゃないかと、あとになって振り返るのは嫌だ。
小さな変化を見つめる。
少しずつそんな輪を広げていけるといいなと思った喫茶店での一コマ。
0コメント